今回の企画の自分的目玉商品(笑)、または最大の難関のリオンの3枚組ライブです、前回の予告で気弱な所を見せましたがなんとか1回りを3日かけて聴き、再度聴きながら記事を書いています。
ロック界のライブで3枚組というと思いつくのがELP、イエスのプログレ組。ザバンドのラストワルツ、デッドのヨーロッパ73、サンタナのロータス、シカゴ(4枚組)、ポール&ウィングス、VAではウッドストック、ノーニュークス、ジョージのバングラ、くらいですが(サンタナ、以外はみんな持ってるけど)、ピンで3枚組なんてあまり聞いたことないですね。
レココレ増刊のライブ特集でこのレコの紹介があり、小川さんという人が「いきなり1曲目で首根っこをつかまれ最後までズルズルと引きずりこまされる」と形容していますが、なんというマトを得た表現なのだろう!。まさにそんな感じなのです。
自分的に言うと初めて聞いたときはA面-1のいきなりのメドレーの連打でもうTKO負け。という感じでしたので今回は再度挑戦してみたかったのです。
ミックジャガーからもらった伝説のジャズメンのシルクハットを被ったジャケ。このハットはマッドドック&イングリッシュマンのツアーの時から被っているようです。
少々怖い裏ジャケです。
実はこのLion Live。3年前に買ってからA面のみ聞いただけなのです。今回はこのアルバムを全曲聴くためにこの企画を立てた。というのは決してオーバーではないのです。あの独特のなんとも言えない甲高いダミ声を全曲走破しなければならなかったのです。
3枚組なんで特殊なユニパックのような凝った三面見開きのジャケです。
内ジャケはそのときのバックメンバー(シェルターピープル)らのショット、など。
メンバーは、ドラムスにチャクブラックウェル、ギターがドンプレストン、ベースにカールレイドルらの同じみな人たち、それにキーボード、打楽器系、コーラス系などを含めて総勢11人の大所帯です。
まとめているのはドンプレストンかな(バングラでも登場したギブソンエキスプローラ使用)録音は73年のカリフォルニアのロングビーチアリーナです。
リオンは以前のイングリッシュマンのツアーでジョーコッカーから主役を奪い取り(笑)。見事に自分の宣伝の為のツアーにしてしまい、いつかは自分でも同じようなスワンプ系のレビューツアーを行なおうと思っていたのではないでしょうか?。
そして71年のバングラでも準主役級の待遇でステージを行い味をしめ、自分のツアーでその記録を残そうと、このアルバムを出したのではないだろうか?
このレビューツアーライブは3枚組にもかかわらずベスト9位まで上がったライブの名盤となり、アメリカのスーパースターに躍り出たといえます。
スリーブは幾何学模様ですが、離れるとリオンの顔のアップなのがわかります。レーベルの副社長兼任アーティストなのでやりたい放題やってます(笑)
今回、改めて聴くと、このアルバムはリオンの一人独演会ではなく、シェルターピープルのバック人にも花を持たせ、4人もソロで歌っているので実はまぁまぁ聴けたのです(その事実、聴くまで知らなかったのでビックリでした)
しかし、リオンの歌の時は怒濤のスワンプシャウター攻撃で、もううんざりレベル。スローな曲調は2曲のみ、長尺メドレーも3曲あり疲れました。
曲順です
A面
-1 Mighty Queen Medley
-2 Shoot Out Of The Plantation
-3 Dixie Lullaby
B面
-1 Queen Of The Roller Derby
-2 Roll Away The Stone
-3 It's Been A Long Time Baby
-4 Great Day
-5 Alcatraz
C面
-1 Crystal Closet Queen
-2 Prince Of Peace
-3 Sweet Emily
-4 Stranger In A Strange Land
D面
-1 Out In The Woods
-2 Some Day
-3 Sweeping Through The City
E面
-1 Jumping Jack Flash / Youngblood Medley
F面
-1 Of Thee I Sing / Yes I Am Medliey
-2 Delta Lady
-3 It's All Over Now Baby Blue
長くなったので曲の感想は簡単に。
A面 いきなりのメドレー、11人全員の音の洪水。コーラス隊とリオンのコール&レスポンス、もう仮死状態になります(汗) そのままクラプトンのブルースパワーの1小節を挟みつつ、怒涛の勢いは止まらず2~3曲目まで一気にいきます。
B面 相変わらず怒涛の勢いは止まりませんが、3曲目のブルース(ジョンリーフッカー作)のボーカルはドンプレストンだと思う。ブルースギターも全開。4曲目のだれか(黒人っぽい)人のボーカル、もうほとんどゴスペルです。
C面 3曲目でようやくスローなブルース、ここでやっと一息つける。そのまま続けてミディアムバラード、やはりこのあたりは聞きやすくて好きです。
D面 ここで2回目のメドレー、後半早口のリオンのMCと観客のコール&レスポンス、何言ってるかわからんけど(汗。
2曲目は女性のボーカルのバラード。実はこれが一番素晴らしかったりして。マッドドックでのリタクーリッジの「スーパースター」を思い出します。
E面 バングラでも披露したこのメドレー、バングラのが出来がいいという文献も見れれますが、僕はこちらの方がいいかな(コーラス隊が少ない分)。
F面 最後もまたメドレー、もう勘弁してくださいレベル。そしてディランのこの曲でスワンプ時代に別れを告げるようです。
レーベルです、シェルターのオリジナル、この時期Sマークが映画スーパーマンの方からクレームがついてSマークに黒のペイントがされてる(けどほとんど見えてる・・・笑)
カタログNoはSTCO-8917 マトは3~5の間でいろいろ。
このアルバムでリオンはスワンプ路線を終わらせ次のステップに進むのですが、それはリオンの人気が下火になっていく前触れでもあった感じがします。
この次はカントリーアルバムだし、その後ジャズ、ウェディングアルバムなど、あまり聞きたくない作品が続きます(あくまで自分的に)。
スワンプも下火になっていき、その後のウエストコースはイーグルスなどが流行り、そのうちAORなどになっていくのでリオンがロックの前線に居る感はなくなるんですね。
この怒涛のライブ、リオン(またはスワンプ)が好きで好きでな人には最高な作品だと思うのですが、僕が思うにスワンプ系のライブはシングルLPが一番いいかな(デラボニのライブみたいに)。やっぱ2枚組以上は疲れますわ。
ようやく重荷が解けてかなりホッとしました。もうこのライブ盤3枚続けて聴くことは一生ないと思います(けっして嫌いなわけではない)。
ようやく峠を越えた2枚組ライブ盤特集、残すとこ3枚です。今後は渋めのSSW3人になります。
次はアイルランドの巨人です。これは愛聴盤なので疲れません、ではまた。
購入レコ屋 バナナレコード
参考文献 レココレ All You Need Is Live