トムウェイツのセカンドアルバムです、邦題は「土曜日の夜」とだけになっています。一応最高傑作としての評価があります。
自分的にトムの一番はファーストのClosing Timedだと思っていましたが、今回このセカンドを何度も聞いて「こっちの方が競馬で言うとハナ差でいい」という結論になりました。
ファーストの出来に満足できなかったらしいトムは今度はもっとジャズよりの音を目指しました。プロデューサーもそちら方面のボーンズハウという人に依頼(どんな人かよく知らない)。バックもわずかに3人くらい、音数は少ないですが最後までダレずに一気に聞かせてしまいます。
土曜の夜の繁華街のジャケ、トムと女の人は間違いなくコールガールでしょう、夜というよりミッドナイトという雰囲気です。このイラストはNapoleonという人が描いています。
この絵凄く不思議に感じて、特に女の人の後ろの情景のピンボケ具合が本当の写真のように見えてしまうのは僕だけでしょうか? トムと女の人以外は写真を絵画風に加工してそこにトム達を描いたような気がしてなりません。(1970年代にそんな加工の技術があったかどうか知らんけど)
このことについて特に調べる気もないのですけど。
さらに、TOM WAITSという文字とアルバムタイトルの位置が非常に素晴らしい。たいして上手い絵ではないと思いますが、ずーっと眺めてしまうのです。
このジャケを見てると、LAの土曜の夜を思い浮かべてしまいます。健康的なアサイラムのアーティストとは対極のアーティストであり作品だと思います。
US版キヨスクでタバコふかすトム、これがまたいい表情。 クレジットのタイプライター風の文字がまたいいです。
この盤には歌詞カードはついていませんでした、Discogsで調べてもついていないようなので最初からなかったかも?
Impression
実はこのアルバムのほうがファーストよりはるかに歌い方が(自分的には)聴きやすいです。ダミ声度合いは進んでいるように感じますがバックのジャジーな演奏にマッチしているぶんすんなりと入れるのです(というか何度も聞いてみて、だけど)。
しかし、この後作品を追うごとにダミ声が進んでい行きこの後のライブ、その後は自分的に少し無理になっていき、「Blue Valentine」あたりまで来るとかなり無理になってきます(汗)。
という事でやはりトムはこのアルバムまで(もう少し頑張ってライブまで)が今のところの僕の範囲です、もちろんこの後変わるかもしれませんけど。
My Favorite Songs
New Coat Of Palnt
ジャジィーなピアノとアコベースの演奏、いきなりの真夜中の場末のバーという感じです。
San Diego Serenade
これはファーストの名曲Ol'55の続編というかその雰囲気をそのまま持ってきた感じです、感動的なバラードになっています、バックのストリングスが感動的です。
Seml Seml
A面の白眉かなー。とにかくジャケの雰囲気のまんまの感じ、曲の合間のサックスがもう本当に良くて。このアルバム買ってよかったーと思わせます。
Shiver Me Timbers
これもファーストっぽいSSW的な作品、素晴らしいです。 一応AメロBメロ、サビの構成になっているのでさらに聴きやすい。アコの伴奏が効いています。
The Heart Of Saturday Night
土曜の夜をどう過ごすか?というような内容のタイトル曲。自分的に一番トムの作品では好きなタイプの曲です。
The Ghosts Of Saturday Night (After Hours At Napoleone,s Pizza House)
A-1と対をなしている、月に酔ってしまった。という内容でしょうか? 正統派ジャズの感じです。この人の場合酔っ払いの歌が多いですね。()内の文字が気になります、「仕事が終わったあとNapoleonのピザハウスで」とか書いてある。もしかしてピザハウスのオーナーがジャケの絵を描いたのであろうか?
アルバム全体を通してみても、捨て曲一切なし。見事な内容の作品であると言い切れます。
Label
アサイラム7E-1015のWマーク無しのオリジナル。マトはいろいろなアルファベット、記号がありよくわかりません。
アサイラムの青いレーベルと全くマッチしないトムです。後期のアサイラム/エレクトラの黒/オレンジならぴったりなのですがね(笑)
自分的にはアサイラム時代のトムは(あくまで)Small Changeまでかなー?(実はまだ入手していませんが)と思ったりもしているのですが、なぜ作品が進むにつれて、だみ声が凄くなっていったのか?自然なのか、わざとなのか?そこら辺りはよくわかりません。
やはりセカンドまでの二作が一番聴きやすいです。もう少し歳を取れば変わるかもしれませんけど(笑)
アサイラムのカリフォルニアの健康的なイメージの中ではやはり異質の存在(ウォーレンジヴァンとともに)のトムです。なぜデビッドゲフィンはトムと契約したのだろう?ロスの夜のイメージもアサイラムの戦略の中に入れたかったのでしょうかね?
by naruru-kato
| 2020-02-14 19:47
| Tom Waits
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