予想通りの展開といいますか、ローラニーロの次はこれまた久しぶりにキャロルキングです。前回の
Musicのあと数枚出しますが、時系列を無視して1975年のこの作品です。何故かというと、ずーとUS再発盤を持っていたのですがレコ屋(新栄 ラジオデイズレコードさん)にオリジナルが入り、これが目的で訪れた訳では無いのですが、ジャケが凄くよくて、たぶんこのオリジナルは音もいいような予感がして連れてきました(本当はニールヤングの、ある、レコ買いに行ったのですが)
絹目の美しいジャケ、この作品に「Thoroughbred」という歌は無いのですが、キャロルが馬に乗っているのでこのタイトル名がついたのでしょうか?
ちなみにこれが再発のジャケ、ツルツルのジャケでこれはこれでいいのですが。今風に語ればオリジナルをインスタで加工したような海の蒼さ。
単純に比べて見ると、再発は昼間風、オリは夕方風といったところで全然イメージが違っています。
左 US再発盤 右 USオリジナル。
裏ジャケはほぼ同じですが、これは間違いなくサンセット。ということはオリジナルのジャケとピタッと合っている事になりますね、どーでもいいことですが。
クレジットにはギターにダニーコーチマー、ウッディワクテル。ベースがリーランドスカラー。ドラム、ラスカンケル。トムスコットのサックス。などが参加。コーラスにはクロスビー&ナッシュ、JDサウザー、そしてジェームステイラーの盤石な布陣。
前作まではベースはチャールズラーキーでしたが公私ともに別れを告げここではリーのベースが大きくフューチャーされていてうねりまくるベースが気持ちいいこと。このアルバムが少し低迷期になっていたキャロルの復活を遂げているのです。
厚手のインナースリーブには歌詞と馬に乗ったキャロルの写真。前回のローラもそうでしたが、US再発には歌詞カードは省略されている場合が多いので無いだろうか?
それともただ単純に自分が買ったレコだけ無かったのか?とにかくUS再発盤は付録関係を省略する事が多いのでは?と自分は思っています。
それはそうと、全体の感じとしては、曲もよく出来ていて、キャロルの最高傑作は誰もが「タペストリー」と言いますが、自分的にその次のこのアルバムを一番よく聞くのです。ほぼセクションのリズム隊にワクテルらも加わりウエストコーストッぽいSSWな曲作りがされています。
そして録音ですが、予想通りこのアルバムはオリジの圧勝!。音が立っていて、バックコーラスも非常に良く聴けます。クーチ、ワクテルのギターも音圧が全く違うのです。コーラスは事前情報が無い前提で言うと「んーなんかJTの声に似ているなー」と再発で思うのに対し、オリジでは「おーJTじゃん」って感じですぐにわかるのです! 正直、カッティングがヤバすぎる!とおもうくらい爆音でした。
曲順です
A面
-1 So Many Way
-2 Daughter Of Light
-3 High Out Of Time
-4 Only Love Is Real
-5 There's A Space Between Us
B面
-1 Id Like To Know You Better
-2 We All Have To Be Alone
-3 Ambrosia
-4 Still Here Thinking Of You
-5 Its Gonna Work Out Fine
A-1 なんかタペストリーに入っていそうな感じいいピアノ弾き語りから一気に昇天するオープニングに相応しい素晴らしい曲です。
-2 これぞキャロル節。という感じ。クーチのギターが気持ちいいこと。ゴフィン&キングの復活の作品でもある。
-3 リースカラーのうねうねベースから始まる。コーラスでC&N。途中からハモでJT登場。見事な展開。全体にベースが支配している曲ですが完成度高すぎる!
-4 少しジャジーな曲。これもタペストリーッぽいです。キャロル完全復活といえるような曲調です。ギターはワクテルかな?ギターソロにはゾクっとさせられます
トムのサックスも都会的でナイスです。ここら変はタペストリーにはなかったところです。
-5 ここでもベースがイイ感じ、コーラスは後半にJTのみ。
B-1 ウストコースト風なアレンジの曲です。キャロルの一人ハモが素晴らしい、それにかぶるようなJTのコーラスが美しい。
-2 クーチのカッティングが気持ちいいナンバー。
-3 ここでJDサウザーがコーラスをつけます。JTとTDが同じアルバムでコーラスを取るとは、なんて贅沢なアルバムなのでしょうか?キャロルなら当たり前でしょうけど。ここでのギターは間違いなくワクテルでしょうね。
-4 珍しくアコでのイントロ。ピアノがほとんど聞こえてこない。キャロルんしては変わった曲ですが、曲調は相変わらずの安定(笑)
-5 ご機嫌なLAポップ風ナンバー、しかしこの路線がこの後キャロルの低迷期につながっていった気がするのですが。
プロデューサーは当然のルーアドラーですがこのアルバムを最後にキャロルはオードを離れます。
レーベルです。まずオリジナルはスペシャル仕様、カタログNoはSP-77034。マトは両面1のファーストプレス! A&Mの配給です。
再発も載せておきます(たぶん売ると思うので)カタログNoはPE-34963 マトはどうでもいいでしょう。
オードですがエピックのマークが入ってます。買収されたのでしょう。
Musicのあとの数枚は又の機会にしたいと思います。
実はキャロルのこの後のアルバムは持っていません(あったけど面白くないので売りました)。80年台は70年台に活躍したSSWがハマる罠にことごとくハマリ(シンセなどの機械的な音作り)低迷しますが、2000年頃からまた復活します。最近のライブは凄くイイです。
実はこのオリジ買ったのと同時にRhythm&Reasonもオリジナルをに手に入れたのですが、こちらは以前から持っていた日本初回盤のほうが音は出ていて、トホホな結果になってしまいました。ジャケも日本盤はほぼオリジを忠実に再現していて、まぁこー言うことも多々あるのでレコード収集は辞められないのですけどね。
購入レコ屋 オリジナル レジオデイズレコード
再発 ファイハイ堂