人気ブログランキング | 話題のタグを見る

アナログレコード巡礼の旅

narurukato.exblog.jp ブログトップ

Eric Clapton その5   No Reason To Cry

最近、やたらとクラプトンの記事が閲覧数多くてなんでかなー?と思っていたのですが「そーか映画の影響か」ということに気づきました。「エリッククラプトン 12小節の人生」という映画ですね。しかし見逃しました(汗)でも映画は大きな話題提供になりますね。(といいつつ未だにボヘミアンも見てないし、っーか見る気無いし)

1976年発売の70年台歌モノクラプトン数枚の中でも「聞き所満載、突っ込みどころ満載」という点ではぶっちぎりのトップに立つであると思っているこのアルバム、タイトルは「泣くのに理由なんか要らない」というところでしょうか?
Eric Clapton その5   No Reason To Cry_d0335744_20033528.jpg

まず、ジャケがイイです。ザバンドの所有するシャングリラスタジオでのショット。この頃のエリックを象徴するようにジムビーンの瓶とバドワイザーの缶、クラプトンの眼は酔っ払いの感じは出てません、これから飲むのか?。そしてその後ろ姿も鏡に映り(これは狙ってるだろう)。そしてその周りのブルー(再発盤などではほとんど黒になってます)のバックに折れたピック、このピックがエンボス加工されて浮き出ているのです。(再発の黒い方は印刷だけかもしれません、未確認です)。


Eric Clapton その5   No Reason To Cry_d0335744_20035530.jpg


70年台のクラプトンのジャケって素晴らしいモノばかりで、スタジオ盤全てが素晴らしいと思っていますが、このアルバムが一番じゃないでしょうか?。この後に続くのは「バックレス」「461」「スローハンド」「安息」という順番ですね。

もちろんライブアルバムの「EC Was Here」は別の意味でぶっちぎりの一位ですが(笑)


Eric Clapton その5   No Reason To Cry_d0335744_20042114.jpg




裏ジャケは凝った曲目と、真ん中にサンクスクレジット。

単純に有名人を見てみると、ディラン、ザバンド全員、ロンウッド、ジェシ”エド”ディビス、ビリープレストン、クリスジャガー(ミックの弟?)そして一番の謎はGeoffrey Harrisonという人、もちろんジョージの事だろうと思うけど。そーいえばリックダンコの弟も書いてある。

さらに、この頃すでに鉄壁のアンサンブルになっているクラプトンバンドの面々です。


Eric Clapton その5   No Reason To Cry_d0335744_20044221.jpg


インナースリーブです、ここではいろんなスナップフォトが使われています。

Eric Clapton その5   No Reason To Cry_d0335744_20051501.jpg

真ん中の集合写真。左からクラプトンバンドの面々にロニー、なぜかリチャードマニュエルがど真ん中に鎮座(爆) それにしてもマーシーレビー(左から2番目)はかわいいっす。まだこの頃18~19歳くらいのはずです!
(実はクラプトン3回目の日本公演を名古屋市公会堂の2階で見たのですが、ここの2階席はステージの真横まで張り出していて、マーシーを真上横から見ていたのです、めちゃかわいかったんですよ)


Eric Clapton その5   No Reason To Cry_d0335744_20053401.jpg


得意のどーでもいい事でした。

さらに反対側のスリーブ、なぜかCourtesy Forの項目はロニーとディラン、ザバンドの3人(ロビー、リチャード、リック)のみになっています

Eric Clapton その5   No Reason To Cry_d0335744_20055180.jpg





前作と同じバックで作られたこのアルバム。当初はビレッジレコーダーでスタジオセッションが開始され、シャングリラがオープンするとそのまま乗り込みます。ザバンドの本拠地で本当にザバンドのメンバーになったかのようにスタジオワークは進んだのでしょう。

そしてシャングリラの庭でテント生活をしていた(らしい)ディランも加わり、酒と音楽の一大セッションが繰り広げられたのでしょうね。ただしこのアルバムでのクラプトンは本当にギター弾いていません。歌に徹しているようでそーでもない(後で説明します)なんか良くわからん作品ですが、そのサウンドはもうほとんどザバンドそのものといっても過言ではありませんね。ということになればやはりこのアルバムは自分的には一番好きになってしまうのです。


曲順です
A面
-1 Beautiful Thing
-2 Carnival
-3 Sign Language
-4 Country Jail Blues
-5 All Out Pastime
B面
-1 Hello Old Friend
-2 Double Trouble
-3 Innocent Times
-4 Hungry
-5 Black Summer Rain

A-1 いきなりレイドバックした感じのイントロ、なぜかザバンドのファーストの1曲目、Tears Of Rageとリンクしているようにも聞こえる、あまりにもザバンド的な無防備な曲で幕開け。ちなみにマニュエル&ダンコ作なので、当たり前と言えば当たり前か(笑)。
コーラスではマーシーとイボンヌのダルな感じがいいのです。ギターソロも多少ありますがスライド主体。このあとのこのアルバムを象徴するようです。

-2 オイッというかけ声から始まる70年台クラプトンの良くあるパターンの曲です。クラプトンの声と掛け合うようにここでも二人のレディーが大幅にフューチャー。なんか凄いギターソロが出てきそうで全く出てこない曲(汗

-3 ディランの曲を貰い、さらにはデュエットしています。が二人とも全く合っていない(笑)大体ディランとデュエットなんてまともなモノは出来ないのです、(ジョニーキャッシュとやった北国の少女のように)でもそこが味があっていいんです。そしてここでは前編にロビーロバートソンのチキンピッキングギターが後ろでずーと鳴っています。もうほとんどザバンドやん、最高です。
ちなみにこのセッションでディランは「セブンディズ」という曲も持ってきていたが、ロニーにあげるのです。

-4 ブルースのカバー曲、シカゴブルースの人のようです、ここでもスライドギター&リゾネイターの音が聞けます。エレクトリックスライドがジョージテリーのように思うのですが?

-5 クラプトンとリックダンコの曲、サビの部分など聞くと、これほとんどダンコじゃないのか?と思うようなダンコ節(炭坑節とちゃうよ)。この曲リックのボーカルで聞きたかったなー。

B-1 クラプトン作のこの頃のよくあるパターンの曲です。このアルバムを代表する曲でもあります。

-2 オーティスラッシュのブルースカバー。ここでようやく本気のブルースギターが炸裂。いくら歌モノでも1曲くらいはこのくらいのギターソロやっておかないとファンもレコード会社も納得しないでしょうからねー。エグいソロばかり出てきます。

-3 問題の曲、マーシーとの共作ですが、歌はほぼ全面で彼女が歌います。かわりにギターソロでっていう感じも全くないし(汗
こんな大サービスするとは、マーシーとクラプトンの間にはなにか・・・いや思うまい。クラプトンにはパティがいるのだろうから、いやでもやっぱり・・・(爆)バックでは相変わらずリゾネイターが鳴ってます。

-4 一応クラプトンが最初のボーカルを取りますが、すぐにイボンヌとマーシーのダブルボーカル。そして、ここでもエレクトリックスライドが。曲の3/4は二人の女性ボーカル、ここまで来るとこのアルバムは一体誰のアルバムなのであろうか?という感じになってきます。

-5 この後のオシャレ路線バラード(ワンダフルトゥナイウトのような)の元祖のような曲です。クラプトン裏バラードベスト10くらいには入るであろう曲ですかね?

なぜこのアルバムはスライドギターばかりなのであろう?クラプトンのマイブームだったのでしょうか?
アルバム全体を聞くとリラックスしていて本当に素晴らしいのですが、ゲストが多すぎて本来のクラプトン像がイマイチ伝わらない、というかザバンドの南十字星あたりを聞くのとほぼ同じ感覚で聞けてしまうのです。(逆にそれがいい)

レーベルです。

US RSOの赤ベコレーベル。カタログNoはRS-1-3004 マトは両面とも1Cです、アメリカで録音しているのでこれがオリジナルといってもよいのではないでしょうか?


Eric Clapton その5   No Reason To Cry_d0335744_20073253.jpg



学生の頃、リアルタイムでこのアルバム聴いた覚えがあります。が、そのときは凄くがっかりしたような気がします。レコード会社もミュージックライフでも次の「スローハンド」でやっとクラプトンが帰ってきた。という感じの宣伝、評価だったような。

でも昔は全然でも、今の自分にはかなりお気に入りの一枚になってきました。でもこのアルバム聴くと、やっぱロビーロバートソンのギターはいいよなー。というずっこけた感想になってしまう。

ここでようやくクラプトンもザバンドの一員になった感で満足だったのでしょう(笑)。


※ 追記です。

今回の記事の内容と全く関係ありませんが、明日からGW明けまで隔週日曜日にハーフマラソンに6回出ます、週末に記事のUPが無いときは疲れているのでお休み。ということもありますのであしからず(笑)


購入レコ屋   グレイテストヒッツ

追記 2023年11月3日
なにげにUKオリジナルマト1というのを1700円で買ってきました。


 
Eric Clapton その5   No Reason To Cry_d0335744_21152459.jpg

ジャケの色、ピックの色も違う! 音はUKのが生々しい。





by naruru-kato | 2019-02-23 07:38 | ● Eric Clapton | Comments(12)
Commented by 240_8 at 2019-02-24 08:05
おはようございます。
これからマラソンお疲れ様です。私も前回単身赴任時は、週2回、寮から名古屋城までジョギングしていたのですが、今ではSixpadでトレーニングを代用しちゃってます(苦笑)。
さて本作、ノーチェックでした。しかもバンドとここまでコラボしていたとは知りませんでした。しかも内容、良さそうですね。チェックしてみます!
Commented by naruru-kato at 2019-02-24 20:30
> 240_8様
このアルバムを聴くと、クラプトンは本気でザバンドのメンバーになりたかった事がわかるような気がします。僕にとってはこの後のスローハンドよりもこちらの方が好きですね。

今日はマラソンには少し暑すぎました(汗  平凡なタイムでした。
Commented by 実験鼠 at 2019-02-24 22:14 x
こんばんは。レイドバック時代のEC作品では、本作だけが未聴です。461→スローハンド→バックレス→安息といった順番で聴きましたが、何だか飽きちゃってw 
ゲストが沢山参加したアルバムなのですね。購入検討してみようかな・・・。ジャケットは結構凝ってるんですね。実際に見ないとわからないところですね。
Commented by JT at 2019-02-24 22:54 x
こんばんは、JTです。

70年代のクラプトンいいですよね。ライブもズルズルですけど、好きです。

>もちろんライブアルバムの「EC Was Here」は別の意味でぶっちぎりの一位ですが(笑)

なんか、ストーンズっぽくていいですね、あのジャケット。

>インナースリーブです、ここではいろんなスナップフォトが使われています。

自分が持っている紙ジャケCDにはこれありませんでした(泣)。
レイラの内ジャケットみたいですね。

>実はクラプトン3回目の日本公演を名古屋市公会堂の2階

70年代のクラプトンのライブ見られたのですね、羨ましいです。
私の初クラプトンライブは1985年の「Behind the sun」ツアーでした(名古屋市民会館)。

「No Reason To Cry」、クラプトンの70年代のアルバムの中で一番最後に聴いたせいか、印象薄いです。リックダンゴとの「All Out Pastime」しか印象にありません(爆)。

久しぶりに聴き直してみます。
Commented by naruru-kato at 2019-02-25 17:50
> 実験鼠様
バックレスでOKでしたら、このアルバムは行けると思うのですが・・・

70年台のクラプトンの作品でゲスト満載のアルバムはこれだけだと思います。

お勧めはしませんが、ひとまずYouTubeで聞いてみてください。
Commented by naruru-kato at 2019-02-25 17:53
> JT様
紙ジャケは僕も持っていましたが、売ってしまい確認できませんでした。
クラプトンは都合5回見ましたが、見るたびに印象が悪くなり(汗
最後に行ったには90年頃でした。

今回久しぶりに聞きましたが、マーシーレビーの歌が入っているとは驚きでした。
いままでまともに聞いていなかったのですね(笑)
Commented by 珈琲べるま〜ど at 2019-02-26 05:10 x
こんにちは。いつも楽しみにしております。461発売から初公演までは本当に盛り上がり、天にも昇る気持ちだったことを思い出します。今では、初ソロとあの2枚組、そしてこれしか聴きません。これもバンド一派の音として聴いてます。ご指摘のとおり、Dylanのデュエットにはマシなものが浮かびません。最悪は、" We Are the World " で決まり。
Commented by naruru-kato at 2019-02-26 07:20
> 珈琲べるま〜ど様
おはようございます。コメントありがとうございます。
やはり、このアルバムはザバンド的な聞き方で良いのですねー(安心)
初来日前後の盛り上がりは僕もなんとなく覚えてます、特にクラプトンが持っていたギター(エキスプローラ)について盛り上がった気がします。

ディランのデュエットは良くないですが独りハモ(セルフポートレイトのボクサーとか)は見事ですよね。当たり前と言えば当たり前ですけど(汗

Commented by rollingwest at 2019-02-28 06:21
小生も映画「十二小節の人生」を見て改めて彼の生きざまをレビューしましたが、レコジャケのレビューも感心しますね。初めて見るものばかりです!赤べこレーベルなんてあったんですね!
今日で2月も終わりですか~!早いものですね。まさに1月は居ぬる。2月逃げる。3月は去る。あという間に桜・4月がやってきそうです。
Commented by naruru-kato at 2019-02-28 07:08
> rollingwest様
おはようございます、そーですか映画見られましたか。人生の生き様、という観点で映画を作ろうとすと、ROCK界ではクラプトン以外見当たらないですね(笑)

70年台のクラプトンはUK、USともRSOの赤べこレーベルです、その後ポリドール、とかリプリーズ?とかになっていると思いますが今は知りません。
Commented by 実験鼠 at 2019-03-01 22:00 x
実は『バックレス』がちょっと苦手でしたw いや、苦手というより、特に印象が無いといった感じでしょうか。聴いていて心地良い音だなあとは思ったんですが、なぜか繰り返し聴く気になれず・・・でした。

まあ、でもザ・バンドは好きなので、これは何となくいけそうな気がします。機会があれば、是非購入検討してみたいと思います。
Commented by naruru-kato at 2019-03-02 09:54
> 実験鼠様
それ、わかります! 僕も以前はこのアルバムとバックレスはだめでした。

しかし、歳を取ると変わるもので、バックレスのレイドバック感は今は好きです。

ギターをあまり弾かない時代のクラプトン好きなのも問題あり?なのかなと自問自答してます(笑)

大好きな1963~76年くらいのUS、UKロック、SSW、フォークなどのコレクションという程のものでもないですが、自分が所有しているレコードについて思うままに書いてます、但し評論家ではありませんので難しい事は書きません。ジャケットについても同じように思ったことを書いているだけの自分本位のブログです。


by naruru
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31