最近、やたらとクラプトンの記事が閲覧数多くてなんでかなー?と思っていたのですが「そーか映画の影響か」ということに気づきました。「エリッククラプトン 12小節の人生」という映画ですね。しかし見逃しました(汗)でも映画は大きな話題提供になりますね。(といいつつ未だにボヘミアンも見てないし、っーか見る気無いし)
1976年発売の70年台歌モノクラプトン数枚の中でも「聞き所満載、突っ込みどころ満載」という点ではぶっちぎりのトップに立つであると思っているこのアルバム、タイトルは「泣くのに理由なんか要らない」というところでしょうか?
まず、ジャケがイイです。ザバンドの所有するシャングリラスタジオでのショット。この頃のエリックを象徴するようにジムビーンの瓶とバドワイザーの缶、クラプトンの眼は酔っ払いの感じは出てません、これから飲むのか?。そしてその後ろ姿も鏡に映り(これは狙ってるだろう)。そしてその周りのブルー(再発盤などではほとんど黒になってます)のバックに折れたピック、このピックがエンボス加工されて浮き出ているのです。(再発の黒い方は印刷だけかもしれません、未確認です)。
70年台のクラプトンのジャケって素晴らしいモノばかりで、スタジオ盤全てが素晴らしいと思っていますが、このアルバムが一番じゃないでしょうか?。この後に続くのは「バックレス」「461」「スローハンド」「安息」という順番ですね。
もちろんライブアルバムの「EC Was Here」は別の意味でぶっちぎりの一位ですが(笑)
裏ジャケは凝った曲目と、真ん中にサンクスクレジット。
単純に有名人を見てみると、ディラン、ザバンド全員、ロンウッド、ジェシ”エド”ディビス、ビリープレストン、クリスジャガー(ミックの弟?)そして一番の謎はGeoffrey Harrisonという人、もちろんジョージの事だろうと思うけど。そーいえばリックダンコの弟も書いてある。
さらに、この頃すでに鉄壁のアンサンブルになっているクラプトンバンドの面々です。
インナースリーブです、ここではいろんなスナップフォトが使われています。
真ん中の集合写真。左からクラプトンバンドの面々にロニー、なぜかリチャードマニュエルがど真ん中に鎮座(爆) それにしてもマーシーレビー(左から2番目)はかわいいっす。まだこの頃18~19歳くらいのはずです!
(実はクラプトン3回目の日本公演を名古屋市公会堂の2階で見たのですが、ここの2階席はステージの真横まで張り出していて、マーシーを真上横から見ていたのです、めちゃかわいかったんですよ)
得意のどーでもいい事でした。
さらに反対側のスリーブ、なぜかCourtesy Forの項目はロニーとディラン、ザバンドの3人(ロビー、リチャード、リック)のみになっています
。
前作と同じバックで作られたこのアルバム。当初はビレッジレコーダーでスタジオセッションが開始され、シャングリラがオープンするとそのまま乗り込みます。ザバンドの本拠地で本当にザバンドのメンバーになったかのようにスタジオワークは進んだのでしょう。
そしてシャングリラの庭でテント生活をしていた(らしい)ディランも加わり、酒と音楽の一大セッションが繰り広げられたのでしょうね。ただしこのアルバムでのクラプトンは本当にギター弾いていません。歌に徹しているようでそーでもない(後で説明します)なんか良くわからん作品ですが、そのサウンドはもうほとんどザバンドそのものといっても過言ではありませんね。ということになればやはりこのアルバムは自分的には一番好きになってしまうのです。
曲順です
A面
-1 Beautiful Thing
-2 Carnival
-3 Sign Language
-4 Country Jail Blues
-5 All Out Pastime
B面
-1 Hello Old Friend
-2 Double Trouble
-3 Innocent Times
-4 Hungry
-5 Black Summer Rain
A-1 いきなりレイドバックした感じのイントロ、なぜかザバンドのファーストの1曲目、Tears Of Rageとリンクしているようにも聞こえる、あまりにもザバンド的な無防備な曲で幕開け。ちなみにマニュエル&ダンコ作なので、当たり前と言えば当たり前か(笑)。
コーラスではマーシーとイボンヌのダルな感じがいいのです。ギターソロも多少ありますがスライド主体。このあとのこのアルバムを象徴するようです。
-2 オイッというかけ声から始まる70年台クラプトンの良くあるパターンの曲です。クラプトンの声と掛け合うようにここでも二人のレディーが大幅にフューチャー。なんか凄いギターソロが出てきそうで全く出てこない曲(汗
-3 ディランの曲を貰い、さらにはデュエットしています。が二人とも全く合っていない(笑)大体ディランとデュエットなんてまともなモノは出来ないのです、(ジョニーキャッシュとやった北国の少女のように)でもそこが味があっていいんです。そしてここでは前編にロビーロバートソンのチキンピッキングギターが後ろでずーと鳴っています。もうほとんどザバンドやん、最高です。
ちなみにこのセッションでディランは「セブンディズ」という曲も持ってきていたが、ロニーにあげるのです。
-4 ブルースのカバー曲、シカゴブルースの人のようです、ここでもスライドギター&リゾネイターの音が聞けます。エレクトリックスライドがジョージテリーのように思うのですが?
-5 クラプトンとリックダンコの曲、サビの部分など聞くと、これほとんどダンコじゃないのか?と思うようなダンコ節(炭坑節とちゃうよ)。この曲リックのボーカルで聞きたかったなー。
B-1 クラプトン作のこの頃のよくあるパターンの曲です。このアルバムを代表する曲でもあります。
-2 オーティスラッシュのブルースカバー。ここでようやく本気のブルースギターが炸裂。いくら歌モノでも1曲くらいはこのくらいのギターソロやっておかないとファンもレコード会社も納得しないでしょうからねー。エグいソロばかり出てきます。
-3 問題の曲、マーシーとの共作ですが、歌はほぼ全面で彼女が歌います。かわりにギターソロでっていう感じも全くないし(汗
こんな大サービスするとは、マーシーとクラプトンの間にはなにか・・・いや思うまい。クラプトンにはパティがいるのだろうから、いやでもやっぱり・・・(爆)バックでは相変わらずリゾネイターが鳴ってます。
-4 一応クラプトンが最初のボーカルを取りますが、すぐにイボンヌとマーシーのダブルボーカル。そして、ここでもエレクトリックスライドが。曲の3/4は二人の女性ボーカル、ここまで来るとこのアルバムは一体誰のアルバムなのであろうか?という感じになってきます。
-5 この後のオシャレ路線バラード(ワンダフルトゥナイウトのような)の元祖のような曲です。クラプトン裏バラードベスト10くらいには入るであろう曲ですかね?
なぜこのアルバムはスライドギターばかりなのであろう?クラプトンのマイブームだったのでしょうか?
アルバム全体を聞くとリラックスしていて本当に素晴らしいのですが、ゲストが多すぎて本来のクラプトン像がイマイチ伝わらない、というかザバンドの南十字星あたりを聞くのとほぼ同じ感覚で聞けてしまうのです。(逆にそれがいい)
レーベルです。
US RSOの赤ベコレーベル。カタログNoはRS-1-3004 マトは両面とも1Cです、アメリカで録音しているのでこれがオリジナルといってもよいのではないでしょうか?
学生の頃、リアルタイムでこのアルバム聴いた覚えがあります。が、そのときは凄くがっかりしたような気がします。レコード会社もミュージックライフでも次の「スローハンド」でやっとクラプトンが帰ってきた。という感じの宣伝、評価だったような。
でも昔は全然でも、今の自分にはかなりお気に入りの一枚になってきました。でもこのアルバム聴くと、やっぱロビーロバートソンのギターはいいよなー。というずっこけた感想になってしまう。
ここでようやくクラプトンもザバンドの一員になった感で満足だったのでしょう(笑)。
※ 追記です。
今回の記事の内容と全く関係ありませんが、明日からGW明けまで隔週日曜日にハーフマラソンに6回出ます、週末に記事のUPが無いときは疲れているのでお休み。ということもありますのであしからず(笑)
購入レコ屋 グレイテストヒッツ
追記 2023年11月3日
なにげにUKオリジナルマト1というのを1700円で買ってきました。
ジャケの色、ピックの色も違う! 音はUKのが生々しい。