UKアーティストが続いたので、久し振りにこちらに戻ってきました(笑)。やはりアメリカンロックの方が何かと文章が作りやすいんです。
イーグルスの4作目、このアルバムで初めてアルバム全米No1に輝く大ヒットアルバムです。以前よりロック寄りに変わってきて、カントリーロックの名ギタリストでもあるオリジナルメンバーのバーニーが脱退するのです。
ファーストから最後の(ひとまず)Long Runまでのイーグルスの歴史においてどこかで線引きするとすれば、やはりこのアルバムからでしょう。前作On The BordeyまではLAのカントリーロックバンドというイメージがやはり強いですが、このアルバムから前作でメンバーになったドンフェルダーの影が強くなり、カントリーロックバンドというイメージから離れてロックバンドというイメージになっていると思います。これでLAからアメリカを代表するロックバンドに代わりさらに世界的なロックバンドになっていくのですね。
イーグルスの鷲と同じくほぼトレードマークにもなっているインディアンの飾り物風で飾られたテクスチャー、でさらにバッファロー部分がエンボス加工されて浮き出ている有名なデザインのジャケ。いくらイーグルスといってもバンドのイメージはこのバッファローですな。
昔このTシャツ持っていたんだけどねー。破れたからという理由で捨てられました(涙)
さらに、EAGLESというあまり見かけない字体のバンドロゴ。このエンボスジャケは日本盤も同じです。このエンボス加工は再発などでも同じだと思う。再発でよくある印刷だけのペラペラジャケは見たことないので、そーいう手抜きジャケは存在しないのかも?
裏側の写真はあの有名な写真家ノーマンシーフです。
あのノーマンシーフを使いながら裏面でしか使わないイーグルスの大物ぶりよ!(普通はシーフ使うなら表ジャケだろう)
一応メンバー紹介。左からランディーマイズナー、バーニーレドン、グレンフライ、ドンフェルダー(以下フェルダー)、ドンヘンリー(以下ヘンリー)。なぜ胸にバラを挿しているのかは知りません(汗)
専用スリーブです。
自分的には断然こちらのショットを裏ジャケにして欲しかった。グレンの前に出ている手がバーニーだと思うのですが、良くある「心霊写真の肩に掛かる手」みたいで怖くてこのアルバムの雰囲気に合ってます。
クレジットです、前作のOn The Borderでもヘンテコな自体で読みにくいこと極まりなかったのですが、今回は曲目だけ変な自体であとは普通のゴシックっぽいので普通に読めます。
レコードはジャクソンブラウンのファーストと同じく上から入れる形状、これも横から入れる物は見たことないです。
今回注目したいのは前作までお約束のJDサウザー、ジャクソン達の名前は全く見受けられません。まぁ皆さんビッグになってきたので忙しかったのでしょうな。
全体の構成はボーカルがほぼ民主的に全員でソロを取っています。ヘンリーが3曲、グレンが1曲、ヘンリー&グレン1曲、ランディー2曲、フェルダーが1曲、バーニーが1曲、あと1曲がインストです。
タイトルは日本では「呪われた夜」ですが直訳するとそんな感じは全くないのですが、この邦題は完璧に定着しています。ナイス邦題です。曲中にディーモン、クレイジーナイトとかの歌詞が出てくるからでしょうか?
冒頭にも書きましたが、このアルバムでロック色が強くなりLAの刹那さも歌に込められ、さらにヘンリー&グレンに虐められ、商業主義になっていくバンドに嫌気になった(想像)バーニーが脱退してしまうのです。この後のアルバムではカントリーロック的な曲は無くなっていくかな。
曲順です
A面
-1 One Of These Night
-2 Too Many Hands
-3 Hollywood Waltz
-4 Journey Of The Sorcerer
B面
-1 Lyin' Eyes
-2 Take It To The Limit
-3 Visions
-4 After The Thrill Gone
-5 I Wish You Peace
A-1 ランディーのウネるベースラインのイントロから一発ジャーンと来るところが最高。ファンク、R&B、さらにはディスコっぽいリズムの表題曲。ヘンリーのビターボイス以外考えられない暗い(笑)ボーカル。通常のCDでは全く聞き取れないハイファットのチッチッチという音がアナログだとはっきり聞き取れます。中間部のフェルダーのいきなりチョーキングから入るギターソロ。普通はいきなりチョーキングからはあまり聴いたこと無いのですが、やはりこの男の独自性なのであろうか?このギターソロが僕は好きで好きで、アメリカンロック史上もっともカッコいいギターソロと思っています。
-2 ランディーのいきなりのハイトーンボイス。これはランディー&ヘンリーの楽曲ですが、そしてここでもフェルダーが大活躍、特に後半のフェルダー&グレンの掛け合いギターバトルは興奮物、次作あのホテカリでのフェルダー&ジョーのギターバトルの前触れでしょうか?
-3 バーニーのペダルスチールが少しだけカントリーロックな雰囲気を出しています。こーいう曲調でのヘンリー&グレンはイイですなー
ただし、本来の作者はバーニーであり、ヘンリーがボーカルを無理矢理奪ったとWikkに出てました。
-4 バーニーの楽曲、インストです。フィドル、ストリングスが入ります、しかし、僕はこの曲がイマイチかな。
B-1 唯一グレンが単独ボーカルです、優しく歌い上げイーグルスマナーを守った曲ではありますが、歌詞の内容は夫婦の不倫関係を歌ったものなのです。
-2 全米No1になり大ヒットしたナンバー、ランディーといえばこの曲です。「もう一度やり直そう」と歌い上げる後半の部分は感動的です。後年のライブでも挿入されていますが、そこでのランディーのハイトーンボイスは驚異的でもあります。
-3 フェルダーのナンバーかなりのロックンロール、これも次作の「駆け足の人生」の布石なのかな?
-4 デスペラードを想い起こさせる感動的なヘンリーの歌が素晴らしい。リアルタイムで聴いたとき「デスペラード」を超えた!と大騒ぎした曲ですが、今聴くとそこまでではないです(笑)
-5 最後、一人抵抗するようにバーニーがホットになった体を癒やすように歌われるナンバー、バンドに対する捨て台詞的な歌と感じるのは僕だけでしょうか?「もう俺はここに居場所ないわ」という感じです。
レーベルです。
アサイラムオリジナル。7E-1039 マトはなんとA-19 B-18 さすが大ヒットしたアルバムです。
この盤にはなんとカッティングエンジニアが遊んだと想われるメッセージが送り溝の彫られています。
A面 DON'T WORRY B面 NOTHING WILL BE OK!と書いてあります。誰に対して書いているのだろう?
この後バンドはあのホテルカリフォルニアを発表し超巨大バンドになっていくのですが、これにはたまらず今度はランディーも脱退終焉に向かって走り出します。
実はイーグルス大好きと今まで書いてきてますが、この「呪われた夜」が僕に取って完璧なリアルタイムな作品で思い入れも非常に大きいのです。もう一回書きますがあの官能的なギターソロは何回聴いてもまったく飽きないのです。次はもっとも書きたくない「ホテルカルフォルニア」なんですが(決して嫌いな訳ではなく、誰もが語っているとおもうので)それやらないとイーグルスの旅が終わりに向かわないんでねー。そのうち書きます(汗)
購入レコ屋
サンオブスリーサウンズ