前回に続き「初出シリーズ」を少しの間またやります。今回はラビンスプーンフルのリーダーで、バンド脱退(解散後)に初ソロを出したジョンセバスチャンのアルバムが2種類そろいましたので紹介します。
2種類とはどーいうことか?つまり全く同じ音源がジャケ違いでレコード会社も違って出ているのです。昔のビートルズなんかで良くあったUKオリジとUSではジャケ違いも多くあったのとは話が違います。なんといってもUS本国で同じ内容が別々の会社から出たのです。
なぜなんだろう?と検索したところブログ仲間の248さんの記事がヒットし(笑)ようやく事の成り行きがわかったのです。
左、MGM盤 右プリーズ盤
セバスチャンがラビン時代に契約していたMGMにこのマスターを持ち込んだところ、MGMはラビンスプーンフル名義で出そうとしたのです。
そこで怒ったセバスチャンはマスターをリプリーズに持ち込んでここで出したのですが、MGMもマスターをコピーしていたのか、同じ内容で発売します。この事件はセカンドソロのライブ盤まで尾を引き、このライブも両レーベルから出ます(ただしこちらは音源、収録曲は違います、これも両方買いました)。どちらのレーベルが先に発売したのかはわかりませんが、僕の予想ではリプリーズが先に出してその後MGMが対抗して出したのではないだろうか?ライブは逆にMGMが先に出して頭にきたリプリーズが「リアルライブ」という題にして後から出したと思われます。たぶんラビンでの契約があと2枚残っていたのでしょうね。
さて、当初はMGM盤だけもっていればいいかなー。と思っていたのですが、いつもコメントくださる方からリプリーズの方が音が断然いいです。との情報をもらい、この盤も探していたのですがようやく巡り合えました。
テクスチャー加工してあるリプリーズ盤のジャケですが、ジャケは完璧にMGMに負けて、思わず「やっつけ仕事やな」とつぶやきたくなる写真、どこぞのステージ写真ですが同じステージの写真が内ジャケに沢山掲載されています。その中から適当に(たぶん)選んでます。
今度はMGM盤、この見事な写真。セバスチャンはどーみても平凡な顔立ちで、とくに特徴もないと思っていますが、その平凡な顔をものすごくいい感じに撮っています。仮に2枚同時に餌箱に入っていたら音源聞くまではこちらでしょうね(笑)
しかし裏ジャケは今度は反対になります(あくまで自分の主観ですけど)
リプリーズ盤です。タイダイのシャツを着たウッドストックのライブ時のセバスチャンを後ろから捉えています。センスいいわ
MGMはセバスチャンのアップ、この帽子被って似合うのはジョンレノン以外いません(キッパリ)。だからこんな写真になっちまう。
それにしてもこの帽子、あまりにデカ過ぎるんじゃねーか?
ゲイトフォールドの内側比較。
リプリーズ盤です。ここでもウッドストックのステージ写真が使われております。他にはスティルスとのライブ写真、クロスビー&ナッシュとの音合わせ風写真など。上のステージ写真から適当に選んでアルバムカバーにしたのでしょう。
かたやMBM盤、クレジットはどちらも同じで、その他書いてあることも全く同じ。左側は適当な写真のっけている感じ、あたりまでですが両盤ともアルバムカバーの写真家の名前などが違うのみです。
ただし、リプリーズの方はタイダイ模様の歌詞カード付、MGMの方もあった可能性が高いですが、僕の盤には入っていません。
肝心の音の方ですが、リプリーズの方が断然音圧もあり(カッティングはSTARING社)、奥行感が深い。ぱっと針を落とした瞬間に「あっリプリーズの勝ち」と判断できます。そしてさらに肝心の作品ですが、純粋にラビン時代の流れを汲み、オールドタイム風、ジャグバンド風な音楽がソロという感じになっていて非常に優れたマジカルな作品であると思うのです。
バックはCS&N、がギターとコーラス。その御用達のダラステイラーがドラム。変わったところでアイケッツがコーラスやっています。
プロデュースはポールロスチャイルドです。
曲順です
A面
-1 Red-Eye Express
-2 She's A Lady
-3 What She Thinks About
-4 Magical Connection
-5 You're A Big Boy Now
-6 Rainbows All Over Your Blues
B面
-1 How Have You Bean
-2 Baby Don't Ya Get Crazy
-3 The Boom Nobody Lives In
-4 Fa-Fana-Fa
-5 I Had Dream
A-1 初ソロのオープニングを高らかに歌い上げています。いかにもセバスチャンの音楽とでもいおうか。
-2 非常に美しいナンバー、スティルスとクロスビーがアコでバック。なんという贅沢なナンバーであろうか(笑)
-3 今度はグラハムナッシュがコーラス付けます。この曲聞くと確かにラビンスプーンフルの新譜で出したくなる気持ちもわからんでもないが。
-4 この不思議なコード感、間違いなくこのアルバムの白眉、バンドではこの雰囲気は無理でしょう。ビブラホーンの音がたまんない。
間違いなくA面の白眉です。
-5 ジャグ風なナンバーですが一人弾き語りでアコでやっているので雰囲気も抜群。やはりこの人ギターめちゃ上手いです。
B-1 セバスチャンのギターの抜けのいいこと。こーいう弾き語りやらしたら抜群です。
-2 スティルスがリードギター、そしてこの曲でザ、アイケッツがコーラスを付けます。メンバーの入れ替わりの激しかったアイケッツなので誰がいるのかはわかりません。
-3 厳格な教会音楽のような弾き語り、バグパイプがバックで鳴っているようですがクレジットはベースのみ。
-4 非常にヘンテコなインスト。娘に「この変な曲はいったい何なの?」と言われました(笑)
-5 最後にあのウッドストックのサントラで1曲目を飾ったナンバー。このサントラ買った人には感慨深いナンバーです。僕もそうです。
(実際のオープニングはリッチーヘブンス)。イントロのCM7のコード感、セカンドバースのAmからAmなんらか(何か不明)のコード感。本当に素晴らしい。断然このアルバムで一番好きなナンバーです。
レーベルです。
まずリプリーズのタンです。カタログNo-6379 マトは両面とも2。STARINGの刻印あります。このレーベルは極初期にツートーンラベルも見られましたが、デザイン移行時期なのでこれがオリジナルでいいと思います。
かたやMGM盤、カタログNoがSE-4654マトは両面とも1。こちらはSTARING社のカッティングではない(まぁどちらかだろう)のでやはりリプリーズの方が音がいいのでしょうね。
冒頭にも書きましたがこの後、またしても両レーベルからライブが出ます、このライブは音源が違っていて内容はMGM盤の方が録音も選曲もよくて(くどいようですがあくまで自分の主観ですけど)いいのですがジャケが最悪です、次回はこの両アルバムの比較をしたいと思っています。
しかしファンは、両アルバム共買わなければならないのでいい迷惑ですな(笑)
購入レコ屋 リプリーズ盤 バナナレコード アスナル金山店
MGM盤 グレイトテストヒッッツ