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アナログレコード巡礼の旅

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Steelydanその2   Can't Buy A Thrill 

スティーリンダンのファーストアルバムを紹介します。
昨年、ウォルターベッカーが亡くなりその機会に今まで全く持っていなかったこのバンドのオリジナルLPですが(CDはベスト盤のみ所有)ナカシマレコードさんのおかげで、一気にすべて揃いました(笑)
本当はこのファーストはジャケがいまいちなので、いらないと思っていたのですが、最後に購入してから改めて聞くと、これが新人のデビューアルバムなのか?と言う程の完成度の高さ。しかもリードギターが二人もいるのに、ゲストギターにリード弾かせたりしていて、すでに最初から音楽実験ラボの雰囲気を出しています。
まさに恐るべしフェイゲン-ベッカーそしてプロデュースのゲイリーカッツ。

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猥雑なイメージのジャケです、立っている女の人は間違いなくコールガールだろうし、大きな唇はエロいし、マッチョの男のかぶさるような合成写真の全裸の女はいったい何を意味しているのだろう?

しかし、このイメージからは想像できない程、洗練された都会派音楽がこのデビューアルバムにはあります。すべての楽曲はフェイゲン-ベッカーのコンビ。
もともとこの二人でNYの学生時代にコンビを組んでジャズ的な作品を音楽出版会社に持ち込むも全く受け入れられずに下積みを続け、ゲイリーカッツ、ジェフバクスターらと知り合いゲイリーカッツがABCの専属プロデューサーになると同時にABCのソングライターになりABCの地元LAに向かったのです。

しかしABCでも誰も二人の作品を取り上げないのでカッツはバンドにして自分達の作品を自分たちで演奏するように仕向け、バクスター、デニーダイアスのツインギター、ドラムにジムボッダー、ヴォーカルにデビットパーマーを呼びバンドが出来たのです。ちなみにパーマーはフェイゲンがボーカルに自信がないために呼び寄せたのは有名な話です。

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ずーと、この裏ジャケはウォーターダメージの沁みだと思っていました(笑)。

メンバーのクレジットのついています、発表は1972年。まだこんな音楽が受け入れられる時代では無かったように思いますがそれでも1曲目のDo It Againが全米6位まで上がるヒットとなり一躍トップバンドに躍り出ます。

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ゲイトフォールドの内側、一応バンドのメンバーですが、左からベッカー、たぶんジムボッダー、ダイアス、ジェフバクスター、たぶんパーマー、そしてフェイゲン。このメンバーでライブも行いますが散々だ遭った為、セカンド以降メンバーを一人ずつ辞めさせその代わりにスタジオミュージシャンで脇を固めていく姿勢になっていきます。


曲順です
A面
-1 Do It Again
-2 Dirty Work
-3 Kings
-4 Midnite Cruiser
-5 Only A Fool Would Asy That
B面
-1 Reelin In The Years
-2 Fire In The Hole
-3 Brooklyn
-4 Change Of Yhe Guard
-5 Turn That Hertbeat Over Again

A-1デビューの最初の曲でこれほどふさわしくない曲があるのだろうか(笑)。と思わせる不思議なイントロ、しかしこの後のバンドの音楽スタイルを暗示させるにはこれほどの曲は無いであろう。ボーカルはフェイゲン。ダイアスのギターとフェイゲンのキーボードソロの不思議感は半端無いです。

-2 ボーカルはパーマーですが、ほとんどフェイゲンと同じトーン、フェイゲンのアクが取れるとこんな声になるのでは?と思う程。ここではサックスのソロがゲストによって吹かれます。


-3 3曲目でゲストギターのエリオットランドールのソロが入ります(笑)。ここでのフェイゲンのボーカルの表情の豊かさ、あえてパーマーを入れる意味があったのか?と言う程フェイゲンはいい味出してます。曲調はもうほとんどスティーリー節

-4 今度はボーカルがドラムのジム。しかしやはりパーマーと同じに聞こえる。
  かなりジャジーな曲です。

-5 ここでようやくジェフのジャズっぽいギターソロが聞けます。ボーカルはフェイゲン、A面聞いてみて、なんかもうすでに完成されつくしている感じ。

B-1ベストにも入るスティーリーの代表曲。ここでのギターもエリオットランドールです、バクスター、ダイアスじゃいかんの?と思うのですが。やはり何かがダメだったのでしょうねー

-2 一風変わった曲ですが、フェイゲンが歌うと。もうそこはスティーリーダンワールド。ジェフがスチールギターを弾いてます

-3 なんか、一番まともな曲(スティーリーダンっぽくない)でも曲はイイです。自分的には一番なじみやすい曲です。

-4 ここではフェイゲンとパーマーがボーカルを分け合います。これも感じのいい曲です。サビのコード感が素晴らしい、ジェフのギターソロも(テレキャスターっぽい)カッコいい

-5 最後の曲、ここでもギターの鈴鳴りがイイです。B面は3~5曲目の流れが本当に素晴らしい!

捨て曲はありません。すべてがこのバンドの音です。


レーベルです、セカンドプレスらしい(良く分からないですが)

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カタログNoはABCX-758 マトはA面がA-1 B面がD-1


この後セカンドではボーカルはフェイゲンのみとなり、その後はバクスターが辞め途中で入ったマイケルマクドナルドも辞め、最後には二人になってしまうバンドですがどんどん洗練され複雑なサウンドになっていく事は周知の事実。

このファーストはその事実を予感させるような要素が沢山詰め込まれたアルバムであると言えます。


購入レコ屋   ナカシマレコード

購入金額    2800円


参考文献    レココレ 1993年6月号 スティーリーダン特集。















by naruru-kato | 2018-05-07 20:08 | Steelydan | Comments(2)
Commented by カマニャン at 2018-05-08 21:12 x
私的スティーリーダン・ベスト5
1. Aja (1977)
2. Countdown To Ecstasy (1973)
3. Pretzel Logic (1974)
4. Can't Buy A Thrill (1972)
5. Gaucho (1980)
Aja が1位はどうかなという気もするけど、何しろ音の素晴らしい完成品だから…。
リアルタイムで聴いていた初期の3枚はどれも好き。初めてラジオから“Do It Again" が流れてきたとき、ずいぶん変わったバンドが出てきたなと思った。
Commented by naruru-kato at 2018-05-09 06:51
カマニャン様
おはようございます、ガウチョの評価が低いのが意外でした。自分的にはいまだにどの作品が一番が判りません(すべていいので)
僕のスティーリーダン初体験は多くの人と同じ「リキの電話番号」ですね。FMの洋楽ベスト10なんかでよくかかりました。

大好きな1963~76年くらいのUS、UKロック、SSW、フォークなどのコレクションという程のものでもないですが、自分が所有しているレコードについて思うままに書いてます、但し評論家ではありませんので難しい事は書きません。ジャケットについても同じように思ったことを書いているだけの自分本位のブログです。


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