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アナログレコード巡礼の旅

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Fairport Convention その3  Unhalfbricking

フェアポートコンベンションのサードアルバムアンハーフブリッキングです。ここからフェアポートのUKトラッドとロックの融合が始まるアルバムです、この中のA-4のセイラーズライフという英国伝承歌を電化しロックの解釈で演奏したのが始まりである。という事なのです。

ちなみにこの盤のオリジナルは、諭吉1.5枚~2.5枚程なければ入手できませんので安いUS盤で良いから取り寄せてもらったのがこれです

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「なんじゃこれ?」知ってはいたのですがやはり現物を「はい これです」と差し出されて「うーん素晴らしいジャケだ」と思う訳が無く。「へんてこりんな写真ですよねー」と言う以外は言葉が見当たりませんでした。


いったいあの物語がきちんとできているオリジナルから大西洋を横断するとなぜこのような訳のわからんジャケになるのでしょう?
A&Mはまったくこのバンドを売る気が無いのか?
(しかしUSファースト盤は素晴らしいのですけどねー)

裏ジャケも何も語る事はありません。もー情けなくなります。


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このサーカスの像乗り(だと思うけど)の写真を使おうとしたA&Mの担当者はいったいどーいう神経してるんだか?またはこれはこれで奥深い物語があるのだろうか?


このままでは引き下がれん(笑)。もうこうなったら是が非でもオリジとは言いません、再発で十分なんでUK物が欲しくなりました。



そして一昨日、覚王山のレコ屋に遊びに行った時、80年代の再発盤を発見!
オーナーが言うには「今日、新入荷の餌箱に入れたばかり」という事で速攻で買います!という事でUK盤のあの素晴らしい写真のジャケを入手



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オリジは右上にislandのマークが入ります。これはこれで「なんじゃこれ」というジャケかもしれませんけど(汗)



音的にはUS盤 UK再発盤の音はほとんど変わりません。UKオリジは中音域の押し出しがもっと強いとのことです。



1969年にサンディーデニーを迎い入れ、その後セカンドアルバムを発表しますが、この作品を発表まじかにドラムのMartin Lambleを交通事故で亡くしてしまいます。しかしバンドはそのまま突き進み次のリッジ&リーフを発表。
僅か1年で3枚の素晴らしいアルバムを発表するのです。まさにフェアポートの黄金期といえます。(僕が興味あるのはここまでと、サンディー復帰の一時期のみですけど)ちなみにイアンマシューズはこのアルバムで1曲のみ参加し脱退しています。トラッドに方向転換していくバンドになじめなくなったのでしょう。



そしてこのアルバムからフィドルにデイブスワブリックがゲストで迎い入れられここからリチャードとデイブのギターVSフィドルの大バトル大会が始まっていきます。




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裏ジャケ、表ジャケの老夫婦(サンディーの両親らしい)の家の中で食事しているシーン。だそうです。
US盤にも同じ場所でのメンバーの写真が使われていますが、UK盤と微妙にポーズが違います、相変わらず真中のリチャードトンプソンの不気味具合が凄い。まぁどーでもいい事ですけど。



一応メンバーは左からサンディー、サイモンニコル、リチャード、マーティンランブル、アシュレーハッチングスの順だと思う(笑)
ゲストにイアン、デイブ、サンデーの恋人でのちの旦那トレバールーカスがトライアングル(爆)その後のドラマーになるデイブマタックス達です。



US盤


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UK盤

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この作品の特徴として、ディランのナンバーが3曲も取り上げられています。
しかもこの3曲は当時はディランの未発表曲でもあったのです。
あとはリチャードトンプソン、サンディーデニーのオリジナル、そしてトラッドという内容です。

曲順です

A面
Genesis Hall (Richard Thompson) Si Tu Dois Partir (Bob Dylan)
Autopsy (Sandy Denny)
A Sailor's Life

B面
Cajun Woman (Thompson)
Who Knows Where the Time Goes? (Denny)
Percy's Song (Dylan)
Million Dollar Bash (Dylan)


A-1印象的なイントロのリフ、それに続くサンディーの凛としたボーカル。リチャードのギターの音も非常に特色のある音です。リチャード作なぜかリズムがWaltzです。
  
-2 ディランの曲。この曲ディランは正式には発表されていなくて、ブートレッグシリーズの中に入っています。

-3 サンディー作。途中で変調したりしてます。中間部のギターソロの素晴らしき事よ。感動的な非常に地味なソロです。

-4 そして問題の曲、もちろんこのトラッドの原曲など知りませんが、いきなりサンディーの歌から始まる部分が原曲に近いアレンジだと勝手に思っております。歌のバースが終わるとそこから変態ギターが炸裂、それに呼応するようにスワブリックのフィドルが絡み壮大なスケールとなって物語は進んでいきます。この曲から電化トラッドが始まった、と言われる凄い曲です。

B-1 A-4の興奮でB面に裏返せなくなりますが、根性で裏返します(笑)いきなりファーストアルバムの頃の(LPでは聴いたこと無いけど)フェアポートのフォークロック風。しかし変なギターとフィドルがここでも絡み合います。

-2 サンディーの代表曲。まさにこの人しか作れない素晴らしい曲。邦題は「時の流れを誰が知る」この邦題も素晴らしい。アマチュア時代からのレパートリーです。僕的にサンディーの作品のベスト3です。ここでのリチャードのバックで流れるオブリガード風ソロが素晴らしい

-3 ディラン作、ここではイアンマシューズがコーラスに入っています。この路線でバンドが進んでいたらもっと沢山のサンディー+マシューズのツインボーカルが聴けたのでしょうかね?

-4 これもディラン、邦題「100万ドル騒ぎ」交代でボーカルを取ってます。なんかサンディーってディランの曲をこんな感じで崩して歌うの好きだなぁー(堤防決壊とか)



レーベルです。


US盤はA&M  一応USオリジです。

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UK盤(表)アイランドの1980年代の再発


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この頃のアイランドは表が昼間、裏面が夜になっています。

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意外とお洒落ですねー。


英国電化トラッドと微妙にフォークロックが入り混じった不思議なアルバムです。これが最高傑作なのか次作がそうなのか、判断に迷うところです。

僕的には甲乙つけがたい。というのが正直な感想でしょうか(笑)






購入レコ屋
US盤   ナカシマレコード  
UK盤   SORC

購入金額
US盤   2500円程
UK盤   2300円


by naruru-kato | 2017-08-26 21:30 | Fairport Convention | Comments(0)

大好きな1963~76年くらいのUS、UKロック、SSW、フォークなどのコレクションという程のものでもないですが、自分が所有しているレコードについて思うままに書いてます、但し評論家ではありませんので難しい事は書きません。ジャケットについても同じように思ったことを書いているだけの自分本位のブログです。


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