今年2度目の初出は、オクラホマの静かなる男、JJケイルです。この人を知ったのはクラプトンがJJの作品を取り上げていていたからです。
JJを聞いている日本人(または名前くらい知っている)では、90%がクラプトン絡みで知ったという統計があります(ウソですが実際はそんなもんだろう・・笑)
以前からJJのアルバムは既に7枚くらい持っていたのですが全て日本盤(しかも再発多し)、JJの場合どうしてもオリジナルで記事を書きたいと思っていて、なかなか投稿出来ませんでした。なぜオリジナルで無くてはダメなのだ⁉。
実はオーディオ雑誌の「アナログ」誌で、またまた和久井さんが「JJケイルきくなら、オリジナルでなければダメだ」と言い切っている文章を見つけ、それに従っていたのです。別に和久井さんの信者ではありませんが、「ダメだ」。と言い切られると、「オリジナル探してやろーじゃねーか」。と妙に対抗意識燃やしてたのです。
さらに僕が持っていた日本盤再発は手抜きで裏ジャケが解説が印刷されてたりしてイマイチでしたので。
何とか昨年非常に安価で2枚ほどオリジナルに買い換えが出来たので記事にするのです。(現在オークションでさらに違うタイトルが出てますが予算的に厳しい)
クラプトンがカバーした(というかクラプトンの代表作のようになってしまった)「コカイン」が収録された4Thアルバムのトルバドールです。
ギブソン系の(たぶん)アコのギターヘッドの絵と雲がギターの形のデザイン。本来Gibsonの文字の箇所にJJ Caleの文字。
実はこのギターはJJが実際に使っていたアコースティックギターで、もうめちゃくちゃな改造がなされてボロボロの愛器なのです。ただしヘッドの形状は多少違っていてこのジャケではギブソン風に描かれてます。
裏も予想通りヘッドの裏側の絵です。以前持っていた日本再発盤はここに解説が載っており台無しでした(すでに売却済み)
オリジナルのインナースリーブは詳しいクレジットです。が、僕が知っているミュージシャンは1人もいません(泣)、タダ単に僕が知らないだけかもしれないですが。(もしかしたら地元タルサでは有名人かも)
レコーディングがいろんなスタジオで行われています。
さて肝心の音ですが、これがもう本当にやる気あるのか?と疑いたくなるようなボソボソスタイルのボーカル、ギターソロも出てきますがそれほどたいした事はないような感じ。男らしさが売りのスワンプでは珍しいアーティストなのではあるまいか。
僕がリアルタイムでこれ聞いていたら、「なんじゃこれ?」レベルで速攻下取りなのですが、スワンプなよなよ系はすでにマークベノで慣れていますので案外聞けるのです。
特にギターソロはフェンダー系のギターにフェンダーオールドアンプを直に繋いでいる、と思われる気持ちのいい音(この音が気持ち良くなるには聴く側の年齢を重ねなければダメです、キッパリ)。そして曲が短めばかりで結構これが飽きないんだな。
ところでオークランドといえばオクラホマの怪人リオンラッセルの故郷の州ですが、同州2番目の街、タルサ出身のJJとも昔から親しく誘われてLAに出向きデビューしますが不発でタルサに戻ってしまいます。
僕の予想ではリオンがクラプトンにJJの曲、取り上げたらどうだい?ってな感じだったのでは。そして「After Midnight」を取り上げJJケイルが有名になり、おかげで再デビューはシェルターから発売されるのです。そしてシェルター初のヒット曲の「Crazy Mama」を放つのです。
曲順です。
A面
-1 Hey Baby
-2 Travelin' Light
-3 You Got Something
-4 Ride Me High
-5 Hold On
-6 Cocaine
B面
-1 I'm A Gypsy Man
-2 The Woman That Got Away
-3 Super Blue
-4 Let Me Do It To You
-5 Cherry
-6 You Got Me On So Bad
A-1 舐めたようなイントロ、途中のスチールギターがかなり気持ちイイですね。サビのギターソロはJJ、これがまたたまらん気持ちよさ。目の前で弾いているようだ。
-2 かっこいいカッティングギターのイントロ、緊迫感あふれる出だしから、いきなりやる気の無いようなボーカル、でもこれにハマると抜け出せない。
-6 もう何も言うことはないです、日本盤の邦題は「コカインの恐怖」でした(爆)。クラプトンは結構そのままコピーしてます。僕はJJのこのオリジナルバージョンの方が好きです。
B-1 蒸気機関車をイメージしたようなカッティングギター。ドラムがめちゃカッコイイ。
-3 どこを切っても金太郎飴的な中で意表をつくスローブルース。これを聴きながら飲みたいお酒は当然バーボン。だが良く聴くと日本の昭和時代の歌謡ブルースのようにも聞こえる。
-4 かなり変わったバックアレンジ。ここではホーンも入り曲の感じ違う、しかし歌声が全く同じなのが・・・(笑)
-5 これはラブソング。しかしこのボソボソボーカルで愛の歌、唄われてもなー(爆)
-6 最後はまたスローブルース、ピアノも効いてて、これかなりイイです。えっもう終わっちゃうの?という感じで切なさが残る。全体にB面の方がブルース色が強いです。
全体を我慢して真面目に聞くと、JJケイルってかなりの想像豊かなリズムを作る人なんだなー。と思えてきます。
レーベルです、シェルターのオリジナル、カタログNoはSRL-52002 マトは両面共1です。
さて、日本盤との違いですが、僕は和久井さんの言う「絶対ダメだ」という程ではないと思うのですが、ファーストアルバムの日本盤もありますがビクターなので、かなりいい音であると思います。
勿論僕のショボいオーディオと、さらにショボショボの耳なんで本当の違いがわからないかもしれませんが(泣)
購入レコ屋 ODDS & ENDS